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W-8BENとは:アメリカ株への投資と節税対策

作成者: Koh Fujimoto-JPN|2024/06/05 16:39:46

アメリカ株式市場への投資を考えているなら、W-8BENフォームの理解が必須です。節税対策としてのその役割を深掘りしましょう。

W-8BENフォームの基本とその目的

W-8BENフォームは、非米国居住者がアメリカ合衆国で発生する所得に対して課税される源泉税を適切に調整するために使用されます。このフォームは米国外の個人が米国の株式や金利、配当などの投資所得に対し適切な税率が適用されるようIRS(Internal Revenue Service、米国内国歳入庁)に提出するものです。

このフォームを提出することにより、多くの場合、源泉徴収税率が日米租税条約に基づいて低減されます。これにより、二重課税の防止と税金の節約が可能になるため、非米国居住者にとって非常に重要な書類となります。

ただし、一番重要な点を最初に理解してください。アメリカに行ったことがない人は、アメリカで金融口座を持つことができません。金融口座を持つことができなければ、このW-8BENも出す必要もありません。このW-8BENが該当する主な人は、米国に在住している間に米国金融口座を開設して、例えば日本に帰国後もその口座を維持したい方が使うフォームなのです。

アメリカ株投資におけるW-8BENの重要性

W-8BENフォームは特にアメリカ株式に投資する際に重要です。アメリカの企業から受け取る配当金には通常30%の税率が適用されますが、W-8BENを提出することでその率は条約国によっては低減される可能性があります。

日本の居住者であれば、日米租税条約により配当税率が通常は10%まで引き下げられるため、W-8BENの提出は大幅な節税につながります。租税条約を使用しない場合は、30%が源泉税率です。したがって、米国株式への投資収益を最大化するためにも、このフォームの適切な理解と利用が不可欠です。

日米租税条約とW-8BENを通じた節税メカニズム

日米租税条約は、日本とアメリカの間で所得に対する二重課税をできるだけ防ぐことを目的とした国際条約です。この条約は特定の所得に対する税率を限定し、W-8BENフォームを通じてこれらの規定を利用することができます。

例えば、条約に基づいて、アメリカの会社からの配当に対する税率は10%〜15%に減税されることがあります。投資家がW-8BENフォームを適切に提出することで、この減税を受けることができ、その結果、手取りの投資収益が増えることになります。

W-8BEN提出手続きのステップバイステップガイド

W-8BENフォームの提出は、オンラインまたは紙のフォームを使用して行うことができます。まず、フォームをダウンロードし、必要事項を正確に記入します。必要な情報には、名前、住所、税務上の居住国、そして米国税務識別番号(SSN)または外国税務番号が含まれます。必ずしも日本の番号を記入する必要はありません。こちらは状況によります。

記入後、フォームは通常、投資を行っている金融機関やブローカーに提出します。彼らはその情報を使用して、投資所得に対する適切な源泉徴収税率を適用します。適切な手続きを確実に行うには、金融機関の指示に従うことが重要です。

W-8BEN更新と維持:よくある質問とトラブルシューティング

W-8BENフォームは通常3年ごとに更新する必要があります。また、居住地やその他の重要な情報に変更があった場合は、それに応じて新しいフォームを提出する必要があります。

提出に関する問題や疑問が生じた場合は、まず金融機関に確認することが重要です。また、IRSのウェブサイトや税務アドバイザーを通じて、正確で最新の情報を得ることが推奨されます。W-8BENの適切な維持は、節税効果を継続的に享受するために重要です。