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米国贈与税フォーム709記入マニュアル・クロスボーダー生活者とその家族のための包括的ガイド

作成者: Koh Fujimoto-JPN|2024/08/18 15:24:30

米国の贈与税は、日本の贈与税を基礎で考えると理解が難しいものです。そこで今回はわかりやすく米国の贈与税の申告について、説明を試みます。

 

フォーム709を理解する:エンパワーメントとコンプライアンスの鍵

フォーム709(米国贈与(および世代飛越し)税申告書)は、連邦贈与税の対象となる贈与と特定の世代飛越し贈与を報告するものです。年間控除額(2024年は18,000ドル)を超える贈与を行う場合は、フォーム709を提出しなければなりません。年間控除額は毎年変動する可能性があるため、現在の限度額を更新することが不可欠です。もちろん政権が変わると税制も大きく変わるのが米国ですので、その点も留意しましょう。

米国市民または居住者である個人は、暦年中に年間控除額を超える贈与を行う場合、フォーム709を提出しなければなりません。これには、財産、金銭、その他の資産の贈与が含まれます。非居住外国人も、米国にある財産を贈与する場合は、提出する必要があります。

日本の贈与税と比較すると、贈与を行う側に納税・申告義務があることを忘れないようにしましょう。また米国非居住者が贈与を米国居住者にした場合は、米国にある資産が関連する場合だけに、申告義務があることも忘れないようにしましょう。この点については次のパラグラフでさらに説明します。

国境を越えた個人に対する贈与税規制の重要な違い

国境を越えた贈与は、国によって税制が異なるため、さらに複雑な問題が生じます。国内での贈与とは異なり、国境を越えた贈与は米国と外国の税法の対象となる場合があります。例えば、米国では贈与者に贈与税が課されますが、他の受贈者に課税される場合があります。日本では贈与の受贈者が納税・申告義務があります。

あなたが米国の非居住者(米国市民はどこに住んでいても米国居住者と定義されることに注意してください)であり、米国人に贈与を行った場合、フォーム709を提出する必要があるかどうかは、資産がどこにあるかによって異なります。簡単な経験則は以下の通りです。資産が米国内にあり、現物資産である場合は、フォーム709を提出する必要があります。しかし、資産が米国外にある場合、または米国内にある無形資産の場合は、Form 709を提出する必要はありません。

逆に受ける側の見地から説明します。米国の非居住者から贈与や相続を受ける場合、米国居住者が注意しなければならないのは、納税ではなく、受贈の報告です。。IRSは、多額の海外贈与の受領者に対し、税法の遵守を確実にするため、これらの取引を報告するよう求めており、これらの意味を理解することの重要性を強調しています。

外国からの贈与とは、非居住外国人や外国の遺産を含む、米国人以外から受け取るあらゆる金額を指します。IRSは、外国の個人または遺産から受け取った贈与の総額が暦年で10万ドルを超える場合、報告を義務付けています。外国法人または外国パートナーシップからの贈与の場合、基準額は16,388ドル(2023年現在)です。フォーム3520については、このブログで詳しく見ることができます。

フォーム709の記入手順

フォーム709には、贈与に関する詳細な情報が必要です。贈与の公正市場価格、譲渡日、受取人の詳細など、必要な書類をすべて集めることから始めましょう。フォーム709はいくつかのパートに分かれており、それぞれが特定の情報を必要とします。IRSは、記入方法をインストラクションとして公開しています。

公正市場価値を決定するためには、鑑定書などの裏付けとなる書類が不可欠です。そのような書類は、フォーム709を提出した後、少なくとも3年間は保管しておく必要があります。 現地通貨を米ドルに換算するための為替レートの裏付けを保管しておくと良いでしょう。IRSから連絡がない限り、保管する書類を翻訳する必要はありません。

贈与税のコンプライアンスでよくある落とし穴とその回避方法

贈与税のコンプライアンスでよくある落とし穴は、年間控除額を超える贈与をすべて報告しないことです。これは、罰金や利息を請求される可能性があります。為替レートにも注意を払い、漏れなく申告するようにしましょう。

このような落とし穴を避けるために、すべての贈与と評価に関する詳細な記録を保管してください。IRSのガイドラインや最新情報を定期的に確認し、現行の税法を遵守してください。また、税務の専門家と協力することで、安心して正確な報告を行うことができます。

国際的な影響を考慮した効果的なタックスプランニングの戦略

国境を越えた贈与の効果的なタックスプランニングには、米国と外国の税法を理解することが必要です。1つの戦略は、年間控除額を利用して非課税贈与を行うことです。また、多額の贈与を複数年に分散して、税負担を軽減することもできます。

多額の贈与を計画している場合は、税務アドバイザーに相談し、税負担を軽減するための信託の作成や租税条約の利用などの選択肢を検討しましょう。具体例をあげると、米国に住む子供に米国の自身の不動産を贈与することを考えているような場合は、税務アドバイザーからのサポートが往々にして必要になります。

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